研究・教育

2019.06.01 Report

留学先から – 下山 隆 –

私は今年の1月から米国オハイオ州クリーブランド市のCleveland Clinic Cerebrovascular Centerに留学させて頂いています。渡米した1月は年間を通じて最も寒い時期で-20℃まで下がる日もあり非常に大変でしたが3月になるとサマータイムに移行し徐々に過ごしやすくなってきました。5月になると夜は8時30分頃まで明るく日々快適に生活をしています。7月になると、みんなでバーベキューやキャンプをしてアメリカンライフを楽しまれる方が多く、早く夏が来るのを心待ちにしています。

クリーブランドは五大湖の一つエリー湖に面しており、MLBのCleveland IndiansやNBAのCleveland Cavaliersのホームタウンでスポーツ観戦が好きな方には非常にいい街です。またアメリカ五大オーケストラであるThe Cleveland Orchestraの生演奏を楽しむこともできます。いわゆる観光地ではありませんがナイアガラフォールズまでは車で3時間程度、少し遠いですがニューヨークやワシントンも車で7時間程度なのでアメリカでのドライブ旅行ができるので時間があれば是非挑戦したいと思っています。

Cleveland Clinicは大学病院ではないですがacademic medical centerとしてUS best hospital Rankingで全米第2位(第1位はMayo Clinic)の評価を受けています。特に循環器内科・心臓外科領域では全米No1にrankingされており、移植手術も非常に有名で世界各国から再先端の医療を求めて多くの患者さんが受診されます。私の所属するCerebrovascular CenterはNeurological Instituteの一部門であり、他にもEpilepsy Center、Neuromuscular Center、Multiple Sclerosis Center、Brain tumor Center、Spine Centerなどの様々な専門領域に細分化されています。それぞれのcenterで神経内科医・脳神経外科医・神経放射線科医が協力しながら日々の診療・研究に従事しています。

私の指導医であるDr. Uchinoは幼少期より海外に在住し米国のmedical schoolを卒業されています。2009年にCleveland Clinicに赴任され、現在はCerebrovascular Centerのdirectorとして臨床・研究・教育・管理職の業務と多忙な毎日を送っています。Dr. Uchinoは非常に教育熱心な方で、時間を見つけてはレジデントやフェローにlectureをしたり、リサーチや診療の相談にのってコミュニケーションを積極的にとられています。英語・日本語のnative speakerという日本人留学生にとって最も心強い指導医なのですが、それに甘えてしまい私の英語がなかなか上達しないのが今の一番の悩みです。Cleveland Clinic Cerebrovascular CenterではTelemedicine、Mobile stroke unitを用いた新しい脳卒中救急診療システムを導入し、comprehensive stroke centerへの搬送前に診断を行い、t-PA静注療法や血管内治療の早期治療介入を試みています。私の研究テーマもTelemedicineやMobile stroke unitに関連するものかと思っていたのですが、それとは別の研究課題に取り組むことになりました。主に画像評価に携わっており、神経放射線科医の先生の協力を得てCT angiographyや3D vessel wall imagingの解析などをしています。まだ研究が始まったばかりなので具体的なことは記載できないのですが留学期間中にしっかり自分の課題をまとめて報告できるように頑張りたいと思います。

最後になりますが、今回の留学に際しまして御推挙並びにご尽力を頂きました木村和美教授をはじめ、医局および同門の先生方にこの場を借りて深く御礼申し上げます。今後もご指導のほど宜しくお願い申し上げます。